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開業前に知りたかった、物件を「条件」ではなく「診療のかたち」で選ぶという視点

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開業前に知りたかった、物件を「条件」ではなく「診療のかたち」で選ぶという視点

BINGOでは、「これから開業を考える医師が、物件選びで後悔しないためのヒント」を集める取り組みとして、実際に開業を経験した先生へのインタビューを行っています。今回は、東京美専クリニックを運営されている土田院長にお話を伺いました。開業当時の率直な迷いや、物件選びで感じた難しさ、そして今だからこそ言える後輩ドクターへのアドバイスまで、物件探しの“判断の軸”が見えてくる内容です。これから開業を控える先生にとって、少し先を歩く先輩の声として、参考にしていただければと思います。

Interviewer : BINGO運営

【取材協力】

東京美専クリニック

東京美専クリニック

院長 土田諒平様

  • 渋谷
  • 東京
  • 美容皮膚科
  • 美容外科

条件は揃っているはずなのに、なぜ不安だったのか

—— まずは、物件を探し始めた当時の話から聞かせてください。

BINGO運営:今ご開業されている物件は、どのように探されたんですか?

土田先生:一般的な不動産仲介会社に相談しました。開業を決めてからまずは「駅からの距離」「広さ」「家賃」の3点を伝えて、条件に合う物件をいくつか紹介してもらった、という流れですね。正直、その時はそれ以上のことをあまり考えられていなかったと思います。

BINGO運営:その時点では、「クリニックとしてどう使うか」までは、あまり具体的ではなかったですか?

土田先生:そうですね。正直なところ、「この条件なら問題ないだろう」という感覚でした。診療のイメージは頭の中にはあるけど、それを物件にどう落とし込むかまでは考えきれていなかったと思います。図面を見ても、「なんとなく入りそうだな」くらいの判断でした。

BINGO運営:もし当時、物件を探し始めた瞬間のご自身に声をかけられるとしたら、どんなアドバイスをしますか?

土田先生「立地と広さだけで安心するな」と言いますね。もちろん大事な要素なんですが、それだけで決めてしまうと、あとから必ず「これで良かったのかな」と考えることになると思います。

BINGO運営:具体的には、どんな点をもっと考えるべきだったと感じますか?

土田先生:その空間で、自分がどう診療したいのかですね。笑
患者さんをどう迎えて、どれくらい時間をかけて説明して、どんな距離感で向き合いたいのか。そこがはっきりしていないと、物件を見ても判断できないんだと思います。当時は、「開業する」という事実に気持ちが向きすぎていて、その先の毎日の診療まで想像できていませんでした。

あとから気づいた、物件に潜んでいた違和感

—— 一般的な不動産屋さんに相談していて、「美容クリニックの現場を理解してくれている」と感じる場面はありましたか?

土田先生:条件面の整理はすごく良かったですし、丁寧に対応いただきました。
ただ、クリニックの中で何が起きているか、というところまでは共有できていなかったと思います。たとえば、カウンセリングにどれくらい時間をかけるかとか、患者さん同士の視線をどれだけ切りたいか、そういった話をしても、少し噛み合わない感覚はありました。

BINGO運営:不動産としては正しいけれど、現場目線ではズレがある、ということですか?

土田先生:そうですね。誰かが悪いわけではなくて、単純に専門が違うんだと思います。ただ、その間をつないでくれる視点が当時の自分にはなかった。だから「条件はいいけど、なんとなくしっくりこない」という感覚を、うまく言葉にできませんでした。

BINGO運営:物件を見ている当時、「このテナントはクリニックに向いていないかも」と感じたポイントはありましたか?

土田先生:当時は正直、そこまで明確には気づけていませんでした。ただ、今ならわかります。柱の多さですね。図面では問題なさそうに見えても、実際に使うと動線が歪みやすい。あとは水回りの位置。ここが悪いと、どんなに工夫しても無理が出ます。

BINGO運営:実際に運営してみて、わかる部分ですよね。

土田先生:本当にそうです。「まあ何とかなるだろう」で決めた部分ほど、あとからストレスになります。毎日のことなので、積み重なると結構大きい。開業前は勢いがありますが、だからこそ冷静に見てくれる人が必要だったなと思います。

正直にダメと言ってくれる人が、いちばん必要だった

—— もし当時、候補物件に対して正直に物申してくれるアドバイザーがいたら、意思決定はどう変わっていたと思いますか?

土田先生:もっと悩んだと思います。でも、その分納得して決められた気がします。「この物件、正直ここが厳しいですよ」「この条件だと、こういう診療スタイルになりますよ」って言われたら、考えざるを得ないじゃないですか。

BINGO運営:選択肢を減らすというより、判断軸を増やす存在ですね。

土田先生:まさにそうです。開業って、誰かに決めてもらうものではないので。判断材料が増えるだけで、決断の納得感は全然違うと思います。

開業後に取り戻せない判断が、物件選びにはある

—— 最後に、立地や広さ以外で、後輩ドクターが「ここだけは妥協しないほうがいい」と思うポイントを挙げるとしたら、何でしょう?

土田先生:まずは動線ですね。患者さんとスタッフが無理なく動けるか。次にプライバシー音や視線をどこまで切れるかは、思っている以上に大事です。最後は内装の自由度。最初から制限が多い物件は、後で必ず苦労します。

BINGO運営:どれも、開業後には取り戻せない要素ですね。

土田先生:そうなんです。だからこそ、物件選びの段階でちゃんと見ておくべきだと思います。

まとめ:「どう選ぶか」が、その後の診療をつくっていく

「立地や広さだけで決めてはいけない」

土田先生の言葉を振り返ると、物件選びとは条件を揃える作業ではなく、「自分はどんな診療をしていきたいのか」という姿勢そのものを見つめ直す時間だったことがわかります。迷いながら物件を見続けた経験や、後から気づいた違和感の一つひとつが、今の診療スタイルにつながっている。物件選びは、開業前の準備ではなく、すでに診療の一部だったのかもしれません。

BINGOが大切にしているのは、「正解の物件」を提示することではありません。その空間で何ができて、何が難しいのか。どんな診療には向いていて、どんなやり方には無理が出るのか。そうした空間の性格を一緒に言葉にしながら、判断の軸を整えていくことです。条件や数字だけでは見えない部分に目を向けることで、物件は単なる箱ではなく、自分の診療を支える土台となります。

開業に踏み出すことも、物件選びで立ち止まることも、不安が伴うものです。しかし、その不安と向き合い、自分なりの基準をつくっていく過程の先にしか、納得のいく選択はありません。このインタビューが、これから物件探しを始める先生にとって、「どう選ぶか」を考えるきっかけになれば幸いです。

現在募集中の物件については、BINGOの公式サイトでご確認ください。

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